追伸
旧約聖書 創世記第一章
はじめに神天地を創りたまへり地はかたちなくむなしくして黒暗淵(やみわだ)の面(おも)にあり神の霊水の面を覆ひたりき神光あれと言たまひたれば光ありき神光を善しと観たまへり神光と暗(やみ)を分かちたまへり
○トピック
これは、明治20年に植村正久、ヘボン、フルベッキらの手で翻訳されたものだが、この聖書の創世記の文章と次に引用する(もう一つの聖書・変身聖書)におけるKOINO仙人LOVEが語る宇宙と命の始まりを読み比べてみるのも面白いと思います。
宇宙創成を物語る、こい・せん
始めに、マイペースなサーファの波乗り小僧、
なみ・せん(NAMINO仙人)・通称ウェイブ(WAVE)が、電磁波の渦に飛び込んでいってしまったあと、こい・せん(KOINO仙人)・通称ラブ(LOVE)も――ただ勢いにまかせて突っ走る、はり・せん(HARINO仙人)・通称・ボン(BONB)とは、袂(たもと)を分かった。
大好きなものは、命あるものの微妙な繊細さ、たとえ「刹那的」、「取るに足りないものに心を奪われる変わり者」という、レッテルを貼られたとしても、私は、わたし。
だから、b宇宙の終わりのとき――ボンが、この世のすべてを壊してしまいたいと怒り、b宇宙のすべてに呪いをふりまくように暴れまわった末に、まるで阿修羅のように、b宇宙の地平・特異点へ殺到し、日常の限界を飛び越え、
〈激動する宇宙のはざま〉
の最先端へ突き進んだ末、それ以前は存在さえ確認できなかったb宇宙の終わりの先、虚数世界でしか存在し得ない新しい宇宙・c宇宙への入り口をこじあけ、その結果起こったインフレーションの、
ミクロのサイズの点でしかなかった生まれたばかりのc宇宙が一瞬で巨大空間に膨れ上がる最中であっても、私はそんなものには目もくれず、恋の熱に浮かされた乙女のように、一片のミクロの命の炎を、b宇宙からc宇宙へ、脱出させ、護りとおすことばかり考えていたのだ。
こっちへ、こい!
自分から、故意!
ものすごく、濃い!
出会ったばかりの熱々の恋!
話してほしい、請い!
きてほしい、乞い!
来い!
脈絡のないフレーズを私(こい・せん・KOINO仙人LAVE)は叫び、熱風の中を駆け巡った、新しく誕生したc宇宙に命を産み落とすため、すべては、命を再生させるために。
こいの乱舞、故意!濃い!
恋の乱舞、乞い!来い!
「常磐線のカフカ・変身聖書」プロローグより引用
命の始まりを物語る、こい・せん
あきらめきれない私の願いを後押ししたのは、HARINO仙人ボンの気まぐれだった。寒暖の極端な開きが、彼の居心地を著しく悪くし、それをなんとかして解消しようと水素化鉄を主成分とする地球の中心部に住まいを移し、大地震を引き起こしたのだ。しかも、彼にしかできない不可能を可能にする、
(地球の地軸の傾きを微調整する)
という離れ業で、地球に当たる太陽の光が、季節により移り変わる現在のような姿に変えたのだ。
四季が生まれ、地表の温度や湿度が季節により、日々移り変わることで、生き物のゆりかごを形成させた。そして植物とも動物ともつかない原細胞が生まれたのだ。
私は狂喜した。生まれ出た物は、私の恋のリズムの扇動にのって乱舞し始め、思っても見ない変移や微細なレベルでのコピーミスが、生じることによって種の広がりは、地表を覆う状態になっていったからだ。
こいの乱舞、故意!濃い!
恋の乱舞、乞い!来い!
「常磐線のカフカ・変身聖書」エピローグより引用