広がり
変身について物語るこい・せんの場面(本文より)
皮膚の表面や血管内の細胞は一日以内、一〇時間ぐらいで死滅する一方、脳や神経などの細胞は人間が生きている間死滅することなく、-生生きているものもあるのよ。
だから、一秒間に五〇万個が死滅し、その分は取り変わることができる計算になるからといって、丸ごと人間が何か全く違うものに変身するなんて、簡単にできるものでないことは、想像できるでしょう? だから、時間が普通の時間軸の上で動いている間は、変身というのは起こり得ない。
変身は、そんなものとは違うのよ。突然訪れる ジェットコースターのようなもの――だから、どうしても、時間がジェットコースターのように急進する、いわば
(虚数時間の次元を飛び越える瞬間)
が必要になる。つまり、マクロの世界で実数時間を超えた虚数時間が働いてb宇宙からc宇宙が生まれた時と同じように、ミクロの世界で特別な時間の飛躍が必要なのよ。それがあって初めて、変身を可能にすると言うことね。それができるのは、はりせん・HARINO仙人BONBだけだと、さっき言ったでしょ? その意味するところは、いかに、
彼という存在が、
唯一神である全能の神でも手を焼く存在であるかということよ。
とにかく注文が来たら、即刻、取り掛かる。素粒子レベルでの時間の速度が急加速される瞬間に、まるで餅つきの相方のように、DNAを差し替える。その影響は、個体に瞬時に及ぶ、まるでインフレーションを引き起こしたc宇宙の誕生の時と同じだと思えばいいわ。
こいの乱舞、故意!濃い!
恋の乱舞、乞い!来い!
こうやって脈絡のないフレーズを私が叫ぶのは、すべては死を追い出し、命を再生させるためなのよ――。
○ トピック
はり・せん・ボン(地仙)が、怒りに任せ、虚数時間を発生させ、人間を他の生き物や植物・鉱物に変身させる行動を起こす。しかし、こい・せん・ラブ(玉女)は、ひそかに人間の命を守るための行動に出る中で、現代日本人のカラスへの集団変身が展開する。
要するに世の中のすべてのことは四種の仙人が取り扱っているということになります。
天仙――あらゆるものの、光子や電子、中性子が作り出す波動の波乗りによって得たエネルギーで、不老不死を得ている――NAMINO仙人・なみ・せんWAVE・と呼んでいる。
次に、玉女――この星のあらゆる生き物の種の保存をかけた、情火をエネルギーにして、若さを保っている――KOINO仙人、こい・せんLOVEと呼ばれる
そして、し解仙――これは、人間の英傑の命をつないで、不老不死を得ている――IMANO仙人、いま・せんNOWと呼ぶ。
最後は地仙――宇宙創成にかかわったが現在は人間に最も近い(いま・せん)にもその存在を知らせないで地底深くに存在し地震波を起こす謎の存在、HARINO仙人・通称・ボン(BONB)と呼ぶ。
四種の仙人については、中国の春秋南北朝の時代に、記述があることだけでなく、宇宙を形成する4つの力(電磁気力・弱い力・強い力・重力)と、人間の感情を表す喜怒哀楽の四つに呼応する。